秋田大雨災害の1コマ記録

2017年7月22日から23日にかけて、秋田県内は記録的な大雨に襲われました。
被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

私が現在住んでいる場所は、大雨の被害をまぬがれましたが、実家のある地域は大きな被害を受けました。

仕事の都合をつけることができたので、24日から休みをいただいて、実家の片付けに行ってきました。

実家のある地域は、川が近く、加えて低い土地にあったので、以前から水害の多い地域でした。
しかし、堤防の整備が進み、近年は水害にあうことはなくなっていました。

ところが、今回の大雨は予想を超える早さ、規模でした。
川が氾濫しても、今までは被害がおよばなかった場所にまで濁流が到達し、地域一面がのみこまれてしまいました。

大雨の被害

実家は、床上約50㎝の浸水でした。

上の障子の写真、中ほどにシミになっているところがあります。
浸水によってついたシミです。

障子は、家の中でも少しだけ高くなっている部屋についていたのですが、それでも写真の高さまで水が上がっていたことになります。

家中が浸水したので、軽い物は家の中で浮かび、漂いました。
タンスなど重いものは、浮くことはありませんが、下の引き出しには水がいっぱいにたまりました。
家の中から水が引いた後も、タンスなど引き出しにたまった水はそのままで、片付けのときに引き出しを開けることができませんでした。

1階にあった家具などは、全て水につかっているので処分するしかありませんでした。

上の写真、本来ならば全て緑が広がっていた場所です。
下半分の色が変わっているのがわかるでしょうか。
水につかったところは、泥で色が変わっています。
地上から1mくらいは茶色です。

農作物をつくっていた田畑も、上の写真のように泥をかぶって色が変わってしまっています。

大雨の片付け1日目

水が引いて、初日は家中に散らばった物をかき集め、どんどんゴミ袋に入れていきました。
ゴミ袋は、家の前に出していきます。

地域によっては、集積所まで運ばなければならなかったところもあると聞いています。
しかし、大部分が水を含んだものになるので、相当な重量になります。
家の前に出すのでも大変なものもあるのに、集積所まで運ぶのは大変だったことでしょう。

しかも、人手や運ぶ手段がある世帯ならば、がんばれるのですが、世帯によっては必ずしも人手、手段があるとは限りません。

ゴミを集める人のことを考えるとわがままも言えないところですが、災害の時のごみ処理についても考えさせらえれます。

ちなみに、家の前にゴミ出しが許可されたのは、地域の自治会長さんが市とかけあってくれたからだそうです。

うちの地域には、大量のゴミを集める広い場所がないため、それぞれの家の前への集積が許されました。ありがたいことです。

家中に流れた物を拾い集めたほかには、低い位置にあった引き出しの水抜き作業もしました。
古い木の引き出しなどは、水圧で開かなくなっているので、穴をあけて水抜きをしなければなりません。

水でいっぱいになった引き出しに入っていた衣類は、もちろんたっぷり水を含んでいるので、そのまま袋に入れてしまうと、すごい重量になります。
衣類も脱水させる作業が必要でした。翌日まで、干した程度でもだいぶ重量は変わります。

冷蔵庫の下は、引き出し式の野菜室でしたが、こちらも水がたっぷりでした。

大雨の片付け2日目

2日目には、手伝いの方も来てくれました。
力のある男性2人に、水を含んだ重い畳をすべて運び出してもらいました。

田舎の古い家で、部屋数も多いため、畳の数も多いです。
体力がある人がいなければ、無理な作業です。

2日目は、畳やタンスなど、大物を運び出す作業が主となりました。

手伝いの方が来てくれたおかげで、2日目で家の中はほぼ空になりました。

大雨の片付け3日目

3日目の作業は、1回目の床掃除です。

床についた泥は、簡単には落ちません。

家中に水をまきながらデッキブラシやモップをつかって床掃除。
排水がうまくできない部屋などもありましたが、なんとか全部屋をかんたんではありますが、掃除することができました。

ゴミ置き場におかれていた「幸せとは」の額縁。

質素で控えめに生きていたとしても、災害はやってきます。
でも、きっと災害をスタートに、この後どう生きていくかが大切なんだよね。

3日間、ゴム手袋をつけて作業していた私の手は、汗でみごとにふやけてしまって、指の皮がベロベロめくれてしまいました。

古い皮の下には、新しくてきれいな皮がちゃんと準備していてくれました。

物をもたないことの大切さ

大雨の片付けをしていて、思ったのは「物をもたないことの大切さ」です。

いらない物をいつまでも持っていることは、何の得にもならないことを痛感。

仕事の都合で私は3日目に帰ってきたのですが、帰ってきてから「災害にあったときでも大切だと思えるかどうか」という基準で、片付けを始めました。

復旧作業はまだ続きます

ボランティアの方の力で、被害の大きかった地域でもだいぶ片付けが進んでいると、秋田のニュースで言っていました。

実家でも、たくさんの方の力を借りました。
ありがたいことです。

しかし、復旧作業はまだ続きます。
片付けだけでは終わらない、これからの生活を始めるための準備が必要です。

それぞれの事情による、心の痛みも心配です。
農作物も心配です。
うちのコメは、今年はダメだろうな、と父が言っていました。

自然災害は避けられないけれど、危険がせまったときには「たぶん大丈夫だろう」と考えずに、「何もなければそれでいいんだ」という気持ちで、家から離れる勇気が必要だと強く感じた秋田の大雨災害でした。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする