ピンポーン
夕方に鳴ったインターホンチャイム
モニターを見ると、得体の知れない男性が映っていました。
不定の来客にあまりいい思いをしたことがない私は、決まっている来客や宅配便以外には、ほとんど出ることがありませんが、今日は何となくインターホンに対応してしまいました。
チャイムに対して「はい」とインターホン越しに返事をすると
「お届け物です」
と言われました。
でも、どう見ても宅配便ではないし、何だろうと思って
「どちらさまですか」
と、たずねてみると
「読売新聞です」
と返ってきました。
お届け物?読売新聞が?
嫌な予感しかしませんでしたが、「どちらさまですか」とたずねてしまった手前、何となく後にもひけずに、お試し版とかを置いていくのかも、と軽い気持ちで対面してしまいました。
そして、出た瞬間から、突然いろいろなことを言われる
・今年になってから、このあたりの配達を始めたこと
・営業所から配達先をとってこいと言われたこと
・盆や正月などの時期に広告が見たくて新聞をとる人のこと
・普段は別の人が営業をしているのだけど、寒い時期はあまり営業しないこと
・営業の人が回らないから、自分で行けと言われてきたこと
で、とりあえずお試し版の新聞と、レシピの小冊子数冊を渡されました。
不思議なことに、「新聞をとってくれ」とは言わないのです。
繰り返し言うのは「広告が見たくて新聞をとる人がけっこういる」ということや、「都合のいい時期を決めて取り始めることができる」ということ。
ネットで広告が見られる時代に、広告目当てで新聞をとる人がそんなに多いのだろうか
新聞をとるのに都合のいい時期って、いったいいつなんだろう
なんて考えているうちに、あれやこれやといろいろな物を出してきました。
柔軟剤と柔軟剤の詰め替えやら、読売ジャイアンツのマスコットキャラクターであるジャビットくんがついているタオルなんかが入っていそうな箱とか、コーヒーとか、ビールらしきものとか。
とにかく大量です。
読売新聞のおじさんいわく「もう最後だから全部おいていっていいって言われたから」と言うのです。
「新聞をとってくれ」という前に、大量の粗品をいただいた私。
契約もしていないのに、こんなにもらっていいの?と思う反面、私にとって欲しいと思うものもなく、ちょっと困惑。
もちろん、最終的にありましたよ。
「新聞とってください」
という一言が。
「考えておきます」
なんていう言葉は、ちっとも通じない。
「お願いします、お願いします」
と、かなりねばられましたが、最終的にお断りをさせていただきました。
手を合わせて「お願い」とされたのに対抗して、手を合わせて「ごめんなさい」しました。
びっくりしたのが「とらない」と決定した瞬間
「じゃあ、それいいですか」
と、どんどん渡してきた粗品を回収したのです。
ちょっとびっくりよね。
最近の新聞の勧誘は、この手でくるのか?
最初に粗品を渡しておいて、とらない人の粗品は回収する。
私は、回収してもらって助かったけれど、けっこうムっとする人もいるのでは?
前は、「とってくれたら、これだけ粗品あげますよ」というのが多かった気がするのだけど。
それでは、契約率が悪くて、最初に渡しちゃう手法にしたのかしら。
でも、新聞も契約取るのに大変な時代ですよね。
それでも、ごめん、うちでは今必要ないんだ。
断るのが苦手な私は、やっぱり不必要なチャイムは心を鬼にして出ないことにしようと決めたできごとです。